同じ場所に行っても、何も知らずに行く子と、少しだけ準備をして行く子では、見えるものがまったく違います。準備をしていると、現地で「あ、これ知ってる!」「思っていたのと違う!」という発見が生まれ、それが学びのタネになります。
とはいえ、旅行前の勉強が「宿題」になってしまっては楽しくありません。この記事では、親子で楽しみながらできる事前学習を5つ紹介します。どれも1回15分ほどでできるものです。
1. 地図で「どこにあるか」を確かめる
まずは、行き先が地球のどこにあるのかを一緒に確かめます。地球儀や地図帳、地図アプリを使って、日本からの方角や、間にある海や国を見てみましょう。
- 日本から見てどっちの方角? 飛行機はどの海の上を飛ぶ?
- 近くにはどんな国がある?
- 時差は何時間? 日本が夜8時のとき、向こうは何時?
時差は出発前に一緒に調べて、「着いたら日本の家族は何をしている時間かな?」と想像してみると、子どもにも距離の感覚がつかみやすくなります。
2. 現地の言葉で3つのあいさつを覚える
「こんにちは」「ありがとう」「おいしい」の3つだけでも、現地の言葉で言えると旅が変わります。お店の人に通じたときの嬉しさは、子どもにとって大きな自信になります。
- 動画や翻訳アプリで発音を聞いて、親子でまねしてみる
- 紙に書いて、旅行中に持ち歩く
- 英語が通じる国でも、その国の言葉のあいさつを1つ覚えておく
3. 絵本・図鑑・動画で「予想」を立てる
行き先について書かれた絵本や図鑑、旅行番組の動画を親子で見て、「向こうではどうなっていると思う?」と予想を立てます。正解を調べることより、予想を書いておくことが大切です。
| 予想してみること | 例 |
|---|---|
| 食べ物 | 朝ごはんは何を食べている? 日本にない果物はある? |
| 天気 | 日本と比べて暑い? 雨は多い? |
| 暮らし | 家の形は? 学校は何時に始まる? |
| 言葉 | 看板にはどんな文字が書いてある? |
予想は旅行中に答え合わせをします。「当たった!」「全然違った!」という体験が、「なんで違うんだろう?」という次の問いにつながります。
4. お金を知る
外国のお金は、子どもにとって身近な「違い」のひとつです。出発前に、お金の名前と、日本円とのおおまかな関係を一緒に調べておきましょう。
- お金の単位の名前は? 硬貨やお札にはどんな絵が描いてある?
- 出発前に、その日のレートを一緒に調べてみる
- 「ジュース1本はいくらくらい?」と予想して、現地で答え合わせ
レートは日によって変わるので、「今日はいくら?」と毎日一緒に見てみるのも、生きた算数の練習になります。
5. 「見つけたいものリスト」をつくる
最後に、現地で見つけたいものを3つ、子ども自身に書いてもらいます。これがあると、旅行中に「次はあれを探そう」と自分から動けるようになります。
記入例:
- 日本にはない形のポスト
- 漢字で書かれた看板で、意味がわかるもの
- 現地の子どもが食べているおやつ
リストは3つくらいがちょうどよい数です。全部見つからなくても大丈夫。見つからなかったものは、「どうして見つからなかったんだろう?」と考えるタネになります。
親の関わり方:教えるより、一緒に「なんで?」を楽しむ
事前学習で気をつけたいのは、親が答えを先に言ってしまわないことです。子どもが「なんで?」と聞いてきたら、「なんでだと思う?」「向こうで確かめてみようか」と返してみてください。
わからないことが残っているほうが、旅先での発見は大きくなります。親の役割は、答えを教えることではなく、子どもが自分で見つけられる環境を整えることです。
年齢別のポイント
| 年齢 | おすすめの事前学習 | ポイント |
|---|---|---|
| 未就学 | 1(地図)、2(あいさつ) | 絵本を読んで、地球儀で場所を指さすだけでも十分 |
| 小学1〜3年 | 2、3、5 | 予想は絵で描いてもOK。見つけたいものリストは親が書き取っても |
| 小学4〜6年 | 1〜5すべて | 時差やお金の計算に挑戦。予想は文章で書いてみる |
| 中学生 | 3、4、5を自分で | 調べる方法から自分で選ぶ。英語で短い質問を1つ用意しておく |
出発前のチェックリスト
- 行き先の場所を地図で確かめた
- 時差を調べた
- 現地の言葉のあいさつを3つ覚えた
- 食べ物・天気・暮らしの予想を書いた
- お金の名前とレートを調べた
- 見つけたいものを3つ書いた
- 記録用のノートを用意した
旅行の準備では、安全情報や入国の手続きも忘れずに確認しましょう。最新の情報は、外務省の「海外安全ホームページ」や行き先の大使館などの公式サイトで確かめてください。
まとめ
出発前の事前学習は、「地図」「あいさつ」「予想」「お金」「見つけたいものリスト」の5つ。どれも15分ほどで、親子で楽しみながらできます。
少しだけ知って、たくさん予想して出かける。それだけで、旅は子どもにとって大きな「探究」の場に変わります。