「せっかく海外に行くなら、自由研究にできないかな」。そう考える方は多いと思います。でも、旅行から帰ってきて「楽しかった」で終わってしまい、結局テーマが決まらないまま夏休みの終わりを迎える……ということも少なくありません。
海外旅行を自由研究にするコツは、出発前にテーマの「型」を決めておくことです。この記事では、テーマの選び方と30の例、旅行中の記録のしかた、帰ってからのまとめ方を順番に紹介します。
海外旅行は自由研究にぴったりな理由
自由研究で大切なのは、「疑問を持つ → 調べる → わかったことをまとめる」という流れです。海外では、日本では当たり前だと思っていたことが当たり前ではありません。看板の文字、お金、食べ物、信号の音。目に入るものすべてが「なんで?」のきっかけになります。
しかも、その疑問は子ども自身が見つけたものです。親が用意したテーマよりも、ずっと夢中になれます。
テーマの選び方:3つの「型」から選ぶ
テーマは、次の3つの型のどれかで考えると決めやすくなります。
| 型 | やること | 向いている子 |
|---|---|---|
| くらべる | 日本と旅行先で同じものを比べ、違いを見つける | 観察が好きな子、絵や写真で記録したい子 |
| かぞえる | 決めたものの数を数えたり、値段や時間を記録したりする | 数字や表が好きな子 |
| たずねる | 現地の人やガイドさん、家族に質問して答えを集める | 話すのが好きな子、中学生 |
テーマ例30
「くらべる」テーマ
- コンビニで売っている飲み物の種類
- 信号機や横断歩道の形と音
- トイレの使い方や表示
- お金(硬貨・お札)のデザイン
- 学校の制服や子どもの服装
- 朝ごはんに食べるもの
- スーパーの野菜や果物
- 郵便ポストの色と形
- 家や建物の屋根の形
- 駅や電車のマナー表示
「かぞえる」テーマ
- 街で見かけた言葉(文字)の種類の数
- 同じ商品の値段(日本円に直して比べる)
- 1日に歩いた歩数と見たものの数
- 見つけた国旗の数と国の名前
- 食べた料理の数と味(あまい・からい・すっぱい)
- バスや電車の待ち時間
- 1日の気温と天気(日本と比べる)
- 見かけた乗り物の種類
- お店の開店・閉店時間
- 1日に「ありがとう」を現地の言葉で言った回数
「たずねる」テーマ
- 現地の子どもが好きな遊びや食べ物
- 「この国で一番有名な料理は?」
- あいさつのしかたと意味
- おすすめの場所とその理由
- 家族の行事やお祭り
- 学校の1日の流れ
- ガイドさんが日本について知っていること
- 「日本に行ったら何がしたい?」
- この国で大切にされているマナー
- 家族に聞く「この旅行で一番驚いたこと」
迷ったら、お子さんに「行ったら何を見てみたい?」と聞いてみてください。答えに出てきたものを「くらべる・かぞえる・たずねる」のどれかに当てはめれば、それがテーマになります。
※「たずねる」テーマは、必ず保護者と一緒に行い、相手が答えてもよいか確かめてから質問しましょう。写真を撮るときも、人が写る場合は先に許可をもらいます。
進め方:出発前・旅行中・帰ってから
出発前:予想を書いておく
テーマが決まったら、旅行の前に「たぶんこうだと思う」という予想を書いておきます。予想があると、現地で「当たった!」「違った!」という発見が生まれ、まとめるときの軸になります。
- テーマと、それを選んだ理由を1〜2行で書く
- 「日本ではこう。旅行先ではたぶんこう」と予想を書く
- 記録用のノートかメモ帳を1冊決める
旅行中:1日5分の記録
旅行中は、たくさん書こうとしなくて大丈夫です。寝る前の5分で、その日見つけたことを記録します。
- 見つけたもの・数えた数・聞いた答えを書く
- 写真を撮ったら、何の写真かを一言メモしておく
- レシートや入場券、パンフレットはまとめ用にとっておく
帰ってから:予想と結果をくらべる
帰ってきたら、出発前の予想と、実際にわかったことをくらべます。「どうして違ったんだろう?」と考えることが、自由研究のいちばん大切な部分です。
まとめ方のテンプレート(模造紙1枚)
模造紙1枚やノート見開きにまとめる場合は、次の順番に並べると読みやすくなります。
| 順番 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 1. タイトル | 何を調べたかが一目でわかる題名 | 「台湾と日本のコンビニの飲み物くらべ」 |
| 2. 調べた理由 | なぜこのテーマにしたか | 「日本にない飲み物があるか知りたかった」 |
| 3. 予想 | 出発前に考えたこと | 「お茶の種類は日本と同じくらい」 |
| 4. 調べ方 | いつ・どこで・どうやって | 「3日間、毎日ちがうコンビニで記録した」 |
| 5. 結果 | わかったこと(表・グラフ・写真) | 種類ごとの数の表 |
| 6. 考えたこと | 予想とくらべて、なぜそうなったか | 「あまいお茶が多いのは、暑い国だからかもしれない」 |
| 7. 感想・次に調べたいこと | もっと知りたくなったこと | 「ほかの国のコンビニとも比べてみたい」 |
いちばん大切なのは「6. 考えたこと」です。正解でなくてかまいません。「〜かもしれない」と自分の言葉で書けていれば、立派な探究になります。
年齢別のポイント
| 学年 | ポイント |
|---|---|
| 小学1〜2年 | 「くらべる」テーマを1つ。絵や写真を中心に、文は短くてOK |
| 小学3〜4年 | 「かぞえる」テーマで表をつくる。予想と結果をくらべる練習を |
| 小学5〜6年 | 「なぜ?」を考える欄を大きく。家に帰ってから本やインターネットで理由を調べる |
| 中学生 | 「たずねる」テーマに挑戦。現地の人の答えと、自分で調べたことを組み合わせる |
まとめ
海外旅行を自由研究にするには、「出発前にテーマの型を決める」「旅行中は1日5分記録する」「帰ってから予想と結果をくらべる」の3つがポイントです。
旅で見つけた小さな「なんで?」は、子どもの学びのタネになります。ぜひ、親子で楽しみながら取り組んでみてください。